風船一揆

2006年01月18日 風の戯言

                                          風派同盟 祭酒 石塚 修
 
 「越後風船共和国」は「Balloon Republic」の和名である。 
 酒と夢の混濁の中から生まれた新潟県内の熱気球クラブの集まりで結成30年の歴史を持つ、らしい。年に2度ほどお祭りをしている。
 春は小千谷で豊作祈願の「風船一揆」、秋は新潟平野で収穫感謝の「風船一揆秋の陣」。
 酒と米とカニを祭壇に供え、空を飛んで神と共に食す。山と平野と海と、越後は限りなく豊かであり、友の心は温かい。

 一昨年10月23日、その大地が揺れた。中越地震である。引き裂かれ、傷ついた大地と天変地異に慄く人々の心を鎮める為に、全国の熱気球の仲間が企画し、集まってくれた。
 「風船一揆復興の陣」。  
 祈りを込めて雪国小千谷の空を舞い、直会(なおらい=神事の後のパーティ)は夜遅くまで続き、些か調子の外れた「春よ来い」の合唱が寝静まった街の通りをリフレインしていた。
 
 今年また、雪の小千谷で風船一揆が開催される。遠くから仲間が集まってくる。

 天と地と風と、一杯の酒を酌み交わす。まるでモンゴルの祭りのようだ。