満月の夜

2006年08月09日 風の戯言


 今日は8月9日、長崎原爆の日。
 キリスト教を信奉するアメリカ市民が、同じキリスト教信者の多い長崎を何故爆撃したのか、心の凍る思いがする。
 何万人もの同胞が焼き殺されて、今日は平和を祈る日。
 中国や韓国なら毎年暴動に近いデモが繰り返されるのだろう。憎悪の連鎖を断ち切り、一切を己の罪として背負う日本人は馬鹿なのか、地球上で一番神に近い人種なのか。アメリカの占領政策が成功したのだ、という藤原正彦「この国のけじめ」は複雑な思いを掻き立てる。

 今日は満月、黒々とした樅の木の向こうで青い月光を放っている。満月、十六夜、立待ちの月、居待ちの月、寝待ちの月・・・平安貴族はキザと言うか優雅と言うか、まぁ暇だったんだな、と思う。しかし、まぁなんと日本語は心優しいのだろう。

 しばし窓辺の月を楽しむことにしよう。グラスが要るな。
 ちょっとだけでいい・・・、こんな夜もいいものだ。