祈り

2007年02月12日 風の戯言


 朝から断続的に降り続いていた雪が止み、お昼過ぎにぶどう村に登ってきた。
 林道は5センチほどの雪が残り、車の跡は無い。
 スリップしないように静かにタイヤを転がし、昨日祈りの場所と決めていた畑の脇に車を止め、俺流の自由な儀式で山の神々に祈った。
 俺の先祖は群馬館林城が信長の配下滝川一益に攻め滅ぼされた時、敵に追われ追われてようやくこの地に逃げ延びたという。以来16代、地域の人に助けられて命を紡いでいる。
 19日に議会で可決され、正式に経営が任されたならば俺は精魂を込めて再建に尽くしたいと思う。俺の願いが本物だと認めてくれるならば、山の神々よ、一緒にこの地に豊かな実りと人の心の温かさを取り戻して欲しい。そう、祈った。
 不思議なことに、いつの間にか青い空が広がり、山々を覆っていた雲がはれ、温かな太陽がぶどう村に差していた。
 祈りを天が聞いてくれた、と思った。