満州国

2007年06月11日 風の戯言


 来週、大連の視察に行く。
 大連で開催される「中国国際ソフトウェア交易会」を見学し大連ソフトパーク、東軟情報学院、新潟県大連事務所などを訪問する予定。社員6名と賑やかな愉しい旅になりそうだ。

 ところで満州国。
 現在の自分の居場所を確認するのに満州国に関する認識が不安定だとどうも居心地が悪い。本棚には司馬遼太郎の「坂の上の雲」、浅田次郎の「蒼きゆうの昴」「中原の虹」ユン・チュアンの「ワイルド・スワン」「マオ」、シリン・パタノタイ「ドラゴン・パール」、R・F・ジョンストンの「紫禁城の黄昏」に交じり「毛沢東秘録」「毛沢東の私生活」なんてきわどい本も並ぶ。どれも面白かったけれど、現代中国理解に欠かせない毛沢東本は読むのに難儀する。
 最近船戸与一の「満州国演義-風の払暁、事変の夜」が面白かった。何と無く、満州国に傾斜して行った当時の日本の国情が見えてくるようだ。
 歴史は後世になって何とでも解説がつくのだろうが、時代に翻弄されている立場からは堪らないのだろうと思う。
 日清日露戦争、支那事変、太平洋戦争(大東亜戦争)特に唱和の戦争は軍部の統帥権と国権の相克の中で所謂リーダーシップが完全に失われ国益の為の戦略が微塵も感じられなくなる。多分戦略論や戦術論なんてどこかに吹っ飛んでしまったのだろう。
 現代に重なるリーダー不在、責任不在の社会は日本の持病みたいなもんか。何とも不甲斐無さに満ち溢れた世界第二位の経済大国・・・やっぱり分らない。