天国に一番近い村

2024年09月04日 風の戯言

鯖石から高柳に抜ける川西線-252号線の西側を走る山間の道が好きだ。
宮平を過ぎて笹崎から旧石曾根村の幾つかの集落の山側を走る。
自分の生れ在所でもあるので、浅田次郎の「母の待つ里」のような香りが漂う。

夕方6時になると、市のチャイムで「夕焼け小焼けで日が暮れて♪」が流れてくる。
今の日本が忘れてしまった本ものの童謡が、まだこの辺の村には生き続けている。
朝6時には、朝の読経が終わった周広院住職が撞く鐘の音が村に眠りを起こす。

「そうか、節子はもういないのか・・・」
やっと、悔いの山の中に現実が見えてきた。

「ほんとに、節子はもういないの?・・・」