小樽運河

2007年05月02日 風の戯言


 連休の前半、早春の北海道を旅してきた。
 桜はまだ咲かず、山には雪が残り、道の脇の柔らかな蕗の薹の緑が美しかった。

 新千歳から小樽の着いたのはお昼過ぎ。早速タラバカニの炭火焼にかぶりつき、地ビールを聞こし召した。真昼間から酒を飲めるなんて最高の贅沢で、旅の楽しさはここに極まる。
 半ば千鳥足で小樽運河を見物、チェックインタイム前のホテルに我が身をねじ込み爆睡。あぁ、このしあわせ!

 小樽で一つだけ見ておきたい所があった。
 旧板谷宮吉邸である。宮吉は柏崎の出身で小樽財界の重鎮、板谷財閥の創始者。日露戦争旅順港封鎖作戦で板谷商船の米山丸、弥彦丸が自沈している。当時、日本中を湧かせた戦争活劇の主でもある。
 三代目板谷順助の名が戦後第一回参議院選挙北海道選挙区の首位当選者として、ある。戦前、貴族院議員に属していたらしいが詳しいことは分らない。義父の叔父に当る。
 旧板谷邸は現在海宝楼としてその面影を伝えている。多分素晴らしかったであろう庭園は砕石が敷き詰められ、心を痛める。祇園精舎の鐘の音・・・だ。