藤の花林道

2007年05月20日 風の戯言


 ぶどう村から黒姫の山裾に向う広域林道は今藤の花が美しい季節を迎えている。藤の花は、それだけ山が荒れていることなのだが、やはり美しい、と思う。雨上がりの林道はウツギも咲き始め、新緑の中に心奪われる風景が続く。
 清水谷集落の手前で道を横切るタヌキの夫婦(不倫のカップル?)に出会い車を止めて暫らく観察。気持ちの悪い存在に気付き、警戒しながらも田圃の畦で何かを食べている。カメラを構えて2,3メートルまで近づいたが逃げられてしまった。
 長岡の酒井無線の社長、カマキリ博士として有名な人だが、彼はタヌキとも話が出来るらしい。世の中にはそんな人もいるのだろうが、タヌキとネェ・・・?

 久米、水上、苛島、清水谷、北向と集落は山に向かうに従い寂しくなってくる。かつては祭囃子が聞こえ、村人達の賑やかな日常があったのだろうけど・・・。時代と共に村人は町に出、東京に出て行ってしまった。それぞれが自分の人生の幸福を求め都会を目指してゆくのだが、俺には人間どもを集めておいて一網打尽にする悪魔の仕掛けのように思えるときがある。

 余計なことを考えない方がいいのだろう。新緑の中に藤の花とウツキが咲いている。それを美しいと思う自分が居る。人間って何なんだろう、かね。