地震後 1ケ月

2007年08月17日 風の戯言


 強い日差しの中に風が秋の気配を運んできた。

 8月16日、地震から1ケ月。自宅付近は何事も無かったようにお盆が過ぎていく。テレビはどの局も特番で中越沖地震の記録を取り上げている。街中を通れば、テレビ画面と同じようにまだ壊れた家がそのままになっていて、この傷が癒えるなんて永遠に無いように思える。
 司馬遼太郎が「街道を行く」に、ほんの数行だけれど柏崎のことを書いていた。文化の香り豊かな北国街道の町。しかし、度重なる大火と、石油の出現と原発、そして2度の地震でこの町はボロボロになってしまった。
 この町の歴史を探し出して、この町の暖かさを見つけ出して、この町が自信とプライドを取り戻し未来に向かって戦いを挑んでいく姿を一日もはやく観たい。

 少し体力が回復して来、黒姫山の麓、北向を歩いてきた。 殆ど人の気配も無く、無人に近い集落は水と蝉の音だけしか聞こえない。廃屋と見える家も庭の草は手入れされている。普段住まない家を守るのは大変なことなのだろう。
 集落を過ぎて黒姫登山道を少し上ると沢間に田圃が広がる。稲はもう少し色づいていた。

 ここまでくると珍しいトンボにも出会える。小さな虫に悩まされた、その先になのだが・・・。