百日咳?
しつっこい咳に悩まされ病院に行って来た。診療所はいいけど、病院は苦手だ。待合室で萎びた様に診察の順番を待っている病人の群れを見ると、俺は絶対こんなになる前に死んでやる、と思ってしまう。向こうも仲間が増えたと喜んでいるのだろうが・・・・。
しかしまた医療業界の凄さを実感させられた。いったい、この病人及び病人予備群に対し医療側はどれだけの人員と医療器材を準備しているのか・・・経営者の一人として収支バランスを考えると目眩がしそうだ。
堤未果「貧困大国アメリカ」のレポートによれば、現在アメリカ中流階級の貧困層への転落が激増しているが、その主なる原因は高価な医療費に因るものだという。世界一高い医療費で中間層が破産しているのだそうだ。
ニューヨークで盲腸の手術をすると平均入院日数1日、平均費用243万円!、だと! 然るに日本だと入院日数4,5日で費用は30万円を越えることはまずないとのこと。
アメリカ発の「グローバルスタンダード」が日本に押し寄せた場合、小泉流の民営化が果たしてみんなの幸福に繋がるのか、懐疑的になる。多分『ウソ』だろう。
なんてことをつらつら考えていると、書棚に並んだ背表紙に引き込まれた。乱読*積読だから部屋の書棚は大したことない。しかし世界にはこの何百万、何億倍かの本が実在するはずだ。人間という、知的空間に棲息する生き物の凄さに始めて気がついた。人間は動物の一種に過ぎない、と思っていたが全くの別種なのかも知れない。
或いはまた、堤未果さんを読んでいると、その人間の中から「富裕層種」が分化してきている、ようにも思う。
生物は自然環境の変化に合わせて進化し、経済環境の変化により別種が誕生している・・・貧困層に落ち込んだら2度と這い上がれない・・・寒々とした風景が見える。
明日は晴れそうだ。
無事に花火が揚って、今年こそ本物の夏が欲しい・・・そう思う。
写真は下加納集落の案山子
写真の横に横断幕があって「頑張ろう! 下加納」とあつた。毎年この時期に洪水に見舞われるこの土地に、今年こそ幸いあれ!