夏の夜明け
幽体離脱したもう一人の自分に誘われるように、ノロノロとベットを抜け出し夜明けの空を見にゆく。家の前の、中鯖石コミュニティのグランドから道を隔てた畑の隅で、八石山の空が明るくなるのをボンヤリと眺めている。
妖精達はもう塒に帰ったのか、静かな夜明け。今日一日が始まり、そして暑い夏の一日が終わり、日はまた昇る。
日はまた沈み、日はまた昇り、気の遠くなるような繰り返しの中で、人生の時は過ぎていく。
本来、人の欲望のぶつかり合いであるビジネスの場で。自分を見つめ、部下の成長を願い、人を愛し、人が好きになり、闘争と未完成の愛と・・・人生の時は過ぎていく。
越後タイムスの柴野さんと霜田文子さんに誘われ、柏崎の生んだ抽象画家谷川彰さんの作品を見に行ってきた。途中、前知事の平山さんや平川信子さんとも合流し、展示作品を一枚一枚眺めた。結局俺には抽象画の精神性が理解できない。何を表現したかったのか、絵以上に抽象的で難解なタイトルにも幻惑され、最期まで「谷川彰」が理解できなかった。
展示会場に入り、作品に囲まれた時に感じた鳥肌の立つような感動は何だったのだろう、僅かな時間に俺の中で何が変ったのだろう。