金賢姫

2009年03月12日 風の戯言

 何故か、昔から金賢姫が大好きだ。
 だから彼女を「元死刑囚」とするマスコミが許せない。
 品格と良識を持った新聞は「元工作員」と書いている。

 彼女の人生は過酷すぎる。
 最初は「キタ」の監視と教育、後半は「ミナミ」の監視と教育。そんな中で自らのアイデンティティーを見い出し、護り続けるなんて、そんな簡単なことじゃない。
 関らされた「事件」のことを考えれば「自裁」こそが安らぎへの道になるのだろうが、それを拒んで(いるように俺には思える)いる。

 11日の会見のテレビを見ていて、飯塚耕一郎さんに「抱いてもいいですか」と言う言葉に、不覚にも涙ぐんでしまった。双方の痛みは想像だに出来ないが、「キタ」に翻弄された人生を思うと、涙しか出せない自分を歯がゆく思う。みんなそうなのだろう。

 俺は心底惚れているのかもしれない。