新潟県電子機械工業会 機関紙への原稿

2009年10月27日 風の宿

 夢は不思議なエネルギー!

 昨年のリーマンショック以来、絶望に近い不安感と閉塞感が日本を覆っている。確かに今回の経済不況は只事ではない。単なる経済循環不況ではないし、中国・インド・ブラジル等の勃興による相対的な日本の沈没だけでもなく、コンピューターと通信ネットワークの発達による新しい世界、人間は単体の存在ではなく、お互いに繋がりあった「情報有機体」であるとする「第4の革命」の渦中なのだという見解が広がっている。
 ならば、次の時代の「幸せ」とは何なのか? 
 どこにビジネスに結びつくネタがあるのか?
 そんな疑問に晒されている中、貴電子機械工業会への誘いがあった。
 多分、次の時代はITと情報通信技術の高度な融合による「何か」が決定的に重要性を持つ社会になるだろう。その「何か」が何なのか、電子機械工業会で答えが見つかるかも知れないという予感があり、電子機械と人間の急速な接近が、近未来の可能性を叫んでいるようにも思え、図々しくも理事に手を挙げさせて貰った。
 しかし、今は全く未来像が見えてこない。
 クラウド・コンピューティングの活用に未来はあるのか? 知的生産活動は急速な進歩を遂げるだろうが、だがそれにどんな意味があるのか? 
 性懲りもなく世界経済を破綻に追い込んでいるようにしか見えない。
 チャップリン「モダン・タイムス」の残像が錆び付いた脳をかすめる。
 人間と電子機械と情報通信が「友気的」に、心豊かに結びついた「地域」と「個人」の幸福・・・それが何処か近くにあるように思えてならないのだが・・・。

 原点に戻って、経営品質マネジメントを学び始めている。社員に「働く」と何か? 「仕事」とは何か? 「会社」とは何か? を問い直し、現代経済社会において卓越した業績を積み重ね継続的成長を実現する為に、経営には普遍的な本質があるはず、と経営品質の「顧客本位」「独自能力」「社員満足」「社会貢献」の4つの視点から現状を洗い直している。

 未来は何時もフロンティア。
 そして夢は不思議なエネルギー! 何とかなるさ!