秋らしき夜に
満天に星達が瞬き、暗闇の庭に金木犀が匂い立つ。
夕方まで賑やかだった虫たちのパーティも幕が下りたのか誰もいなくなった。
夜空を見上げながら佇んでいると様々な過ぎ去った日々が去来する。俺はもう過去は振り返らない。後ろを振り向けば寂しくなって生きていられなくなる。でも、最近は妙に懐かしい、暖かい思いに包まれる事が多くなった。先が短くなったのかな、なんて思いながら、不思議な感情の中で遊んでいる。
後ろを振り向くな !
前だけを見て生きろ !
大らかに、笑い飛ばして、自分も人も明るくしろ !
それが「石塚修」という生き方なんだろ?
後ろを振り向くな !
前だけを見て走れ !
満天の星に吸い寄せられるような夜が更けていく。