谷根

2012年05月20日 風の戯言


 何という寂しさだろう。そしてまた、何という満ち足りた気持ちなんだろう。相反する感情が渾然と一つになって時間が過ぎていく。

 会社の建設システム課に「高橋まり」さんという華やかな女性がいた。会社を辞め、違う会社に勤めたが暫くして谷根トンネルの崖の上から落ち、亡くなった。

 15日、長岡日赤での人間ドックの後、何かに誘われるように六日町まで足を伸ばした。インターを降りて、そういえば随分と前だけどまりさんと美晴さんと営業に出て、回転寿司を食ったことを思い出し、探したらその店らしきのがあった。妻に昔話をしたら覚えていて二人でまりさんの思い出を語っていた。
 18日、元の上司の配野課長が「まりさん」の命日の話をしていたと聞き、不思議な縁を感じた。「社長、忘れていちゃイヤだよ」そんな声が聞こえたようで、堪らずに土曜日に花と好きだったビールを以て現場にお参りに行ってきた。

 会社経営をしていると、いろいろなことがある。

 葉室麟の本に沈んでいる。10冊以上も買い求め、こんな書き手がまだいたのだなと、深い感動の中で読んでいる。

 「生ききることだ」と葉室は何時もそう書いている。