夏雲

2012年08月19日 風の戯言


 妙高で見事な夏雲に出会った。

 妙高は不思議な山で、何故か人の心を和ませる。

 妙高は別名「須弥山(しゅみせん)」と呼ばれ、古代インドの世界観の中で中心にそびえる山とされている・とされているが、WiKipediaでは「須弥山」とはサンスクリット『Sumeru、スメール山』の漢字による音訳で、意訳は「妙高」という、らしい。

 高校山岳部で馴染んだ山でもあり、あの山を見るとホッとする。

 お盆休みに、蔦屋で福田和也の「岸信介と未完の日本」を買って来ていたので時間潰しに目を通した。『在りし日の日本』が蘇って来、夢中になっていた。
 福田和也の名前は知っていても、本を読んだことが無かった。なかなかの人と、改めて知った。
 そう言えば、「敗戦」の日から67年が過ぎていた。真夏の、あの日の3歳の記憶がまだ残っている。

 今は3.11と福島原発の取材を通し、「失敗の本質」を暴き出している朝日新聞の「プロメティウスの罠」を厭嫌ながら読んでいる。5年前の中越沖地震も一歩間違えば、柏崎は今の福島のような事態に追い込まれていたとしても不思議ではなさそうだ。
 先祖代々の生活の場を追われた人々の苦しみと絶望が伝わってくる。そんな中でも、人は何故死を選ばないのか、人間という動物の不思議さを感じる。