秋祭り

2012年10月21日 風の戯言


 朝には八石山に霧が流れ、澄んだ青空に赤トンボが舞い、夕陽に公園の銀杏の葉が燦めく。雲は様々な美しい色を奏でている。夜になれば満天に星が輝き、宇宙に浮いたような静かな時が流れてゆく。

 休日は遁世のような生活で、海辺の喫茶店で1人紅茶を飲みながら、波を見る。

 午後からは集落の神社の秋祭り、祝詞を聞きながら不思議な想いに包まれる。秋の稲刈りも終わり、「七人の侍」のラストシーンのように村人達が収穫の喜びを全身で表しているような、あの映画と重なり、神事が進んでいく。

 人は生まれ、結婚し、やがて死んでいく。「谷間に三つの鐘が鳴る」 その映画の解説をしてくれた友人は、おれは人を殺してしまったと呟いていた。

 海岸に寄せる波を見ながら、いろいろなことを思い出している。風は思ったよりも温かかった。