根津美術館

2013年03月03日 風の戯言


 痴呆症と鬱が酷くなり、放浪癖が再発した。

 「大人の休日」で東京までの電車賃が3割ほど安くなり、映画も美術館も1000円で鑑賞できる。これは有り難い。

 金曜日の夜は、吹雪で電車が遅れ東京着が遅くなってしまったのだが、ウサマ・ビン・ラディンの暗殺ミッションを題材とした「ゼロ・ダーク・サーティ」を見てきた。鑑賞すると言う言葉は使えないが、ヒョットしたら本物の現場?と思わせるほどの緊張感が伝わってくる。中身はともかく、久し振りに「映画らしい映画」を見た満足感がある。

 土曜日は「わすれない ふくしま」を恵比寿の東京都写真美術館ホールで見た。制作者の意気込みが空回りしている感じで、上映後関係者の対談があったが、誰に何を訴えるのかもう少し冷静になれたら面白かったのかも知れない。
 自分の経験から言っても、東北大震災の現場を見たものにとって、それは全く無理な世界なのだが・・・。

 放浪の旅の目的は、実は「根津美術館」にあったのだが・・・美術品よりも、晴れた日にあの庭を散歩したかった。夢は叶った。紅茶がとにかく美味かった。
 美術展としては「名物の茶道具」や「良寛」には興味がない、というより「判らない」のだ。子供の頃、蔵にあった茶茶碗でペンキを溶かしたりして、話したくない過去があるからかも知れない。
 殷の青銅器は、その時代背景やそれを作った人達の生活、人生に想像が飛躍して、見ているのが妙に楽しくなった。
 日本など、正に「夷狄(いてき)」だったのだろう。