じょんのび村への道沿いの鯖石川の対岸に柳が芽を吹いている。 石川啄木の 「やわらかに柳あをめる北上の岸辺目に見ゆ泣けとごとくに」が思い出される。
純粋に彼の世界にはもう入れないが、雪解け時期に緑を運んでくるブナの木と、柳は何かを囁いてくる。 その囁きを、聴き止める時間を据える心の自由が、まだない。 ゆったりと流れる時間を・・・
空に浮かぶ雲と、川のせせらぎの音と、目の前を流れていく風と・・・時間を止めて、その世界に入っていたい。