晴れた夜に、雲間に星が見える。
久し振りに、北斗七星らしきものが見えた。
もう随分と昔の話だが、冬になると「山が鳴った」。
何日も、何日も凍るような北風が吹いて、山の木々が唸り声を上げ続けていた。囲炉裏の火と灯りだけで、寒い季節を耐えていた。軒下の煙出しから吹雪が舞い込み、ラジオも聞き憎く、みんなが黙って囲炉裏を囲んでいた昔を思い出す。
最近、時折涙が出そうになるほど、昔を思い出したり、得体の知れないほどの懐かしさに包まれることがある。
随分と遠くまで来てしまった。
だけど、まだもう少し頑張らなくてはならなさそうだ。