番神の梅

2015年11月11日 風の戯言


 藤原緋沙子の新作「番神の梅」を岬館の女将から戴き、夢中になって読んでいる。
 「柏崎日記」渡辺勝之進を題材にした小説で、柏崎人としては物語より当時の時代背景、柏崎の歴史や町並みが気に掛かる。

 大塩平八郎の乱に続く柏?の生田万の乱など、その歴史に流されて行く人の命や運命など、物語は貧乏故の哀しさと暖かさを蓄えています。

 もう一つ。これは嬉しい話。
 日本で最初にバイブルを翻訳した高橋五郎について、ブルボンの吉田真理さんが調べていていた。
 大勢の宴会の席だったので、詳しい話は「また後で」と言うことになった。
 こんな人が柏崎の人だったということは「面白い」

 キリスト教にはご縁がないとも言えず、実は母が大正時代に横浜のフィリス女学校に学んだという話。石曽根の曹洞宗の大寺、安住寺の檀家総代の一人娘が、何を血迷ってクリスチャンの学校に行ったのか、何故親達がそうしたのか ?  話を聞こうと気付いた時には祖父母も父母もみんな旅立ってしまっていた。
 母は子供を負ぶい、障子戸にハタキを掛けながら賛美歌を口ずさんでいたという。

 ハタキのリズムに合う賛美歌って何だろう、近頃思う。