「置かれた場所で咲きなさい」
文春2月号の書評で渡辺知子「置かれた場所で咲きなさい」が紹介されていた。父が2.26事件の時、目の前で銃殺され現在はノートルダム清心学園理事長をつとめる彼女のことはテレビ、雑誌等で知ってはいた。
ただ、こういう人は苦手だ。
今回は「作家・元外務相主任分析官」の肩書きで、インテリジェンスの世界に棲息した経験と知見から現代を論評する佐藤優が、キリスト者の立場から紹介したこの本に惹かれた。
俺は「ポジティブ・ニヒリスト」を自ら任じている。
無限の宇宙の広がりの中で、自分の存在なんて殆ど無意味。
ただ、生きているからには楽しく生きよう。そんな程度。
「置かれた場所で生きなさい」
人はどんな場所でも幸せを見つけることが出来る。
渡辺知子はそう言う。
俺の場合は先天性のノータリンとしか言いようがないが、子供の頃に両親を失いながらも、兄姉達に育てられた自分は幸せだと思った。
親権者の義兄に「俺は幸せだ」といった時、「そう言ってくれるか ! 」と泣いて俺を抱きしめてくれた。
遠い、思い出。