義兄がまた一人逝った。
明治政府の大判事岡村為三の孫。
戦後の農地解放でどんでん返しの時代を、誇り高く生き延びてきた一人、大変な時代だったのだろう。
「兄貴達の時代」は終わった。
隣の医者ドン佐藤秋雄、加納の医者ドン藍沢邸三郎、兄石塚孝、俺の先生佐藤十三郎、市役所の石塚昇、そして岡村康久。みんないなくなった。
隣の家で夜中まで酒を飲み続け、談論風発、話の尽きることなく、バイクを連ねて旅をし、あんなに人生を楽しんだ人達もいないだろうと思う。
子供心に「大人になればあんな楽しいことが出来るんだ!」と心底うらやましかった。
あの世で、またみんなが揃って、また賑やかに飲んでいるのだろう。