無担保無保証

2017年08月29日 風の戯言


 子供の頃、納屋の通路の梁に縄をかけたことがある。
 何で自らの命を縮めようとしたのか、今では判らない。

 25歳で家に戻った時も、常に思い詰めていた。

 45歳で独立し、事業が失敗し人様に迷惑をかけたら自決しようと考えていた。白装束と短刀は常に手元に置いていた。

 他人から見ればどうかしていると思えるだろう。

 銀行からの借入金の経営者としての債務保証は、結構ストレスになる。

 創業30年、小さな一流企業を目指している。

 次世代の後継者達にその重圧を掛けたくなくて、銀行団との無担保無保証の交渉を続けてきたけれど、どうやら念願は叶った。

 75歳にして、冥途が近くなって、自裁を考えなくても良くなった。馬鹿臭い話だけれど、俺の頭は初めて自由になったような気がする。痴呆症が悪化したのかな?