ドナルド・キーン 「日本人の戦争」
ドナルド・キーンは太平洋戦争で情報士官として、戦場に散った兵士達の手帳に記された日記を読み解いている。
この本は「作家達の日記を読む」と副題にあるように、戦前、線虫、戦後の膨大な日記を読み解き、日本人の戦争感を抉り出している。
高名な作家達の戦中から戦後への変節を知り、何やら現代にも通じる「言論」の無節操に愕然とする。
「飯が食えないから」とキーンは同情もしているが、余りにも無残な「転向」に辟易としているようだ。
信頼とは何か ?
「筋を通すこと」、変わらぬ哲学を持って生きること、なのだろうが、豊かな時代を生きた人間がホザク言葉ではないのだろう。
しかし、「調子のいい奴」にはむかっ腹がたつ。