嘘とフェイク
昔、ある町に「センミツ」と称された男がいた。
いや、奴は「マンミツ」だという人達もいた。
千に三つしか本当のことがないのだと。損得に関係の無い、たわいもない話にまで「嘘」が混じるのだという。
最初会った時は彼の話を喜んで聞いていた。
しかし、その話を他でやると、石塚さんそれは違うよ、嘘だよという。
でも暫く俺は彼を信じた。
しかし、ある温泉宿で、玄関に飾られた大きな四角い竹を物珍しそうに眺めていたら、彼は「ああ、この竹 ? 裏の山にいくらでも生えているよ」とのこと。
翌朝宿の主人に「そうだってねぇ」と聞いた話をしたら「とんでもない、外国からもってきたものだ」という。
さすが俺は目をパチクリさせて、その嘘を、その男が嘘つきであることを確認した。
確認してみると、彼が得意になって話していたことが全て嘘だった。
俺に平気で嘘をつく男を、俺は許せなかった。
俺は奴をボコボコにし、以後一切俺の目の前に現れないようにした。
町の人は「石塚を本気で怒らせた」とみんなが判ってくれた。
遠い昔の話しだ。
今、政府の頭目をはじめ官僚達は平気で嘘をついている。
こんな人達が日本に必要なんだろうか ?
「信頼」の元は「嘘をつかないこと」だ。
しかし、恐ろしいのは「嘘」を言っているという自覚のない馬鹿者達がいることだ。