風力発電は火の車

2019年01月30日 風の戯言

風にも色がある。

そんなことを教えてくれたのは年配の空の男だった。
もしかしたらB29の.撃墜王、南条の樫出勇さんだったかも知れない。
上空の空気は300メートル位の層に別れ、微妙に色が違い、それぞれに流れる方向が違うのだと言う。

「風か吹けば桶屋が儲かる」だと。
風力発電をやろう! と悪い仲間に誘われその気になった。
最初大変だけれど、10年も経てば飲み代が出るぞとのこと。
よし解った、やろうじゃないか。
「飲み代云々」とはバカに説得力があった。

インターネットで調べたら「風が吹けば・・・」というのは「意外なところに影響が出ること、また、あてにならない期待をすることのたとえ」とのこと。なるほど・・・。「飲むこと」に目が眩んでいたか・・・。

協同組合ニューエネルギー・リサーチの組合員になり、16年間他人事のように風の丘に立つ風力発電を傍観してきた。
風の力で風車を回し、そのエネルギーで電気を発生させる。
ところがどっこい、そんな簡単な話ではなかったようだ。

風が弱いと発電せず、風が強いと風車の羽が吹き飛び、雷は落ち、担当理事達は安閑として寝ていられなかったという。
修理費だけで豪邸が2,3軒建つくらいの金が吹き飛んだようだ。

たまげたの。

風力発電は火の車だったのだ。

最近はその苦労が実り風力発電は一生懸命稼いでいる。よしたよした。

再生エネルギーには興味があり情報だけは集めてきた。
太陽光発電、モミガラ発電、波による発電、海水から水素を取り出せないかとか、地熱発電等も考えられる。
しかしどれも可能性としてはあるが規模や経済性で今のところ無理のようだ。

電気は途方もない利便性を与えてくれるし、驚くことに山奥の一軒家まで電線を引いてくれた。

これからは考え方を変えて、自然のエネルギーによる一家に一台の小規模な発電機が出来ないだろうか。
小さな発電機なら柏崎でも創れるはずだ。
石油を巡る紛争も放射能に脅えることもなくなり、世界に大きな貢献が出来るだろう。そんなことが出来ないだろうか。

地元でも情報に明るく、研究している人も多い。
「柏崎市地域エネルギー・ビジョン」なんかも何処の馬の骨かも解らない(失礼!)外部のコンサルタントに頼らないで、地域の人達の夢をもっと大切に育てて欲しいと思う。

心配だろうけれど「豚もおだてりゃ木に登る」といいいますねか。

情熱と行動力があれば知識不足は何時でも取り戻せる。
その苦労の蓄積なしには地域に何も残らない。地域の元気とは根性のなんだと思う。

お金がない? 風力発電で稼いでやるよ ! まかしとけって !

柏崎日報 2019.1.28 掲載分