立春を過ぎて

2019年02月05日 風の戯言

日曜日、節分の日にお天気に誘われ柿崎まで走ってきた。
長峰の池が好きで時折フラリと散歩に出かける。

池の周りの道の日陰にはまだ雪が残り、散歩は早々の引き揚げた。
この池はいい。
池ノ端の小高い山が長峰城で、松平忠輝が築いた城とされる。

地元の人達がこれを大切にし、素晴らしい雑木林になっている。

帰り道、白鳥たちが田圃に群れていた。

こんな暖かい日が続いて、シベリアに帰る季節を間違わなければいいが・・・。
彼等のスケジュールは・・・余計な心配するなってか。

風力発電は火の車

2019年01月30日 風の戯言

風にも色がある。

そんなことを教えてくれたのは年配の空の男だった。
もしかしたらB29の.撃墜王、南条の樫出勇さんだったかも知れない。
上空の空気は300メートル位の層に別れ、微妙に色が違い、それぞれに流れる方向が違うのだと言う。

「風か吹けば桶屋が儲かる」だと。
風力発電をやろう! と悪い仲間に誘われその気になった。
最初大変だけれど、10年も経てば飲み代が出るぞとのこと。
よし解った、やろうじゃないか。
「飲み代云々」とはバカに説得力があった。

インターネットで調べたら「風が吹けば・・・」というのは「意外なところに影響が出ること、また、あてにならない期待をすることのたとえ」とのこと。なるほど・・・。「飲むこと」に目が眩んでいたか・・・。

協同組合ニューエネルギー・リサーチの組合員になり、16年間他人事のように風の丘に立つ風力発電を傍観してきた。
風の力で風車を回し、そのエネルギーで電気を発生させる。
ところがどっこい、そんな簡単な話ではなかったようだ。

風が弱いと発電せず、風が強いと風車の羽が吹き飛び、雷は落ち、担当理事達は安閑として寝ていられなかったという。
修理費だけで豪邸が2,3軒建つくらいの金が吹き飛んだようだ。

たまげたの。

風力発電は火の車だったのだ。

最近はその苦労が実り風力発電は一生懸命稼いでいる。よしたよした。

再生エネルギーには興味があり情報だけは集めてきた。
太陽光発電、モミガラ発電、波による発電、海水から水素を取り出せないかとか、地熱発電等も考えられる。
しかしどれも可能性としてはあるが規模や経済性で今のところ無理のようだ。

電気は途方もない利便性を与えてくれるし、驚くことに山奥の一軒家まで電線を引いてくれた。

これからは考え方を変えて、自然のエネルギーによる一家に一台の小規模な発電機が出来ないだろうか。
小さな発電機なら柏崎でも創れるはずだ。
石油を巡る紛争も放射能に脅えることもなくなり、世界に大きな貢献が出来るだろう。そんなことが出来ないだろうか。

地元でも情報に明るく、研究している人も多い。
「柏崎市地域エネルギー・ビジョン」なんかも何処の馬の骨かも解らない(失礼!)外部のコンサルタントに頼らないで、地域の人達の夢をもっと大切に育てて欲しいと思う。

心配だろうけれど「豚もおだてりゃ木に登る」といいいますねか。

情熱と行動力があれば知識不足は何時でも取り戻せる。
その苦労の蓄積なしには地域に何も残らない。地域の元気とは根性のなんだと思う。

お金がない? 風力発電で稼いでやるよ ! まかしとけって !

柏崎日報 2019.1.28 掲載分

白鳥たち

2019年01月27日 風の戯言

安田の陸橋の近くに白鳥たちが休んでいた。

何日も同じ場所にいるのを不思議に思っていたが、ある朝カラスに先を越され、以来姿を見せていない。

楽しみにしていたのに、カラスは余計なことをする。

晴れた日は東京恋し電車の音と鴻巣辺りの麦の色

2019年01月15日 風の戯言


俺は少年の頃、歌人であった。

晴れた日は東京恋し
 電車の音と鴻巣辺りの麦の色

初恋の人を胸にしまいながら・・・15,6才の頃だったと思う。

俺の叔父貴はアララギの歌人であった。

 絶ち難き悩み抱きて深大寺の夕暮るる坂を一人登りく。

 一幅の絵だね。

ザイゴモン・ファースト

2019年01月13日 風の戯言

明けましておめでとうございます。

4日の賀詞交換会で市長は「若者世代が住みたい田舎」として柏崎は県内一位だったという「田舎暮らし」の記事を紹介していた。
この記事の意図とデータの信頼性が解らないけれど、ただ若者に「受けている」とすれば「なんでだね?」と少し気になった。

俺は加納が好きでここに住み続けている。
祖先の地に近いこともあるけれど、女房も僅かな畑を耕し、花を育て、夜には星空を眺められる生活が「最高 ! 」と喜んでいてくれる。

ザイゴモンにとって市長の言う「洗練された田舎」とは加納のことかと思うが、単純には喜べない。
ここでは自分を含め後期高齢者がゴロゴロしている。
児童数も減り続け保育所、小学校の存続も危ぶまれている。

安倍総理の言う「新しい時代」とは何を目指しているのだろうか。
通信や輸送がベラボウな勢いで変化をし、AI(人工知能)がのさばり始めた時代。

本当の田舎の「幸福」とは何だろうかと考える。

「親父と海で釣りがしたいから」と東京からUターンしてくれた社員がいる。
多少テレもあるのだろうが、俺は嬉しくて涙が止まらなかった。
優秀な人材が戻ってきてくれる。嬉しいね。

スマホをお持ちの方はFlightradarというアプリを開いてみて欲しい。
地球上を飛んでいる飛行機が世界を覆い尽している。
「経済」という化け物の姿が見えてくるようだ。

田舎で世界を相手に相撲を取るなら、自然の中での本当の人間の生活「大いなるザイゴ」で新しい価値を創り出す時代なんだと思う。ボーとしてられないんだ。

原発も再稼働させたいなら、地域住民に信頼され、安心して住み続けられる田舎の町にしなければならない。
ナポレオンは城を守る為には家族もその城に住まわせろ、と言ったという。

東電も政府も、自分達の正義を通そうとしたら本社を柏崎・刈羽に移転して欲しい。

そして原子力発電所の全ての情報をリアルタイムに、正直に、公開し全ての人とそのリスクと情報を共有して欲しいと思う。
テレビCMと戸別訪問では信頼と安心には逆効果だ。

柏崎の精神的遺産に藍沢南城「三余堂」がある。
その系譜に諸橋轍次の「大漢和辞典」がある。
明治初期日本で最初の聖書翻訳にヘボンと並んで柏崎の人高橋五郎の名前がある。

柏崎をザイゴだなんてナメテもらっては困るのだ。

柏崎日報 1月12日 掲載分

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