マンホールチルドレン
マンホールチルドレン
その言葉が迫ってくるのはモンゴル ウランバートルの話だからだろう。
家庭が崩壊し、親に捨てられた子供たちが生き延びるためにはマンホールしかなかった。
NHK-BSの「マンホールチルドレン ボルトとダシャ 20年の軌跡」に言葉は要らない。
良くぞこれだけの映像を追いかけ、残し、最良の文学作品に仕上げたと驚嘆する長編。
もう35年近く前、ウランバートルで国際気球大会が開かれ、高本と俺が日本代表で空を飛んだ。
人民広場から飛び立ち、ジンギスカン・ホテルから離陸し、広大な草原を超え、草原に降りた。
ウランバートル市長の歓迎会で強かに酔い、モンゴルに酔っていた。
その町にこんな現実があることに思いもよらなかった。
モンゴルの、高本の友人たちは立派なアパートに住んでいたんだもの。
貧乏は人を育てるという。
安岡正篤の孔子を読んでいたら、貧窮した家に育ち、苦労して自立したという。
まだ読み始めたばかりだけれど、論語が人を引き付ける魅力のもとはそんな環境から得たものなんだろう。
孔子の生涯を追った宮城谷昌光の「孔丘」も読んでみたくなった。