Lost Generation

2020年03月18日 風の戯言


失われた世代
卒論のテーマがヘミングウェイだった関係で、この言葉が離れない。
自由を求めながら、古い価値観の中に埋もれる社会との軋轢、もがきが題材。
打ちのめされながら、明日を暗示する「日はまた昇る」
あの虚無の世界から生きる希望を見出すジェイクの姿が忘れられない。
若いスペイン人闘牛士のペドロ・ロメロの瞬間を生きる、その瞬間の為に全人生を制御する、いやその瞬間の為に生きる、ニヒリズムを吹き飛ばしてしまうような生き方が素晴らしかった。

今、全世界が狂い始めている。
新型コロナウィルスに対応する社会全体が小さな正義に、小賢しい正義に抑え込まれようとしている。ルールを決める人たちの喜びの中で反論は一切許されず、自分の中でもそれを正とする考えに、自由が失われている。

政治も経済も賢者がリードしているわけではない。
リーダーとは何か?
「我が勲しは、民の平安」と叫んだ張作霖の時代と比べてすべてが小さくなった。
真のリーダとは「私心-私欲」を捨てた自分の使命に対する忠実さだろう。

この後に来る時代が恐ろしい。
単に新型コロナウィルスだけでなく、1000年に一度という文明史的変動にどう立ち向かえるのか。
学生時代、福田実先生に出会え、「日はまた昇る」を卒論テーマにポジティブ・ニヒリズムに出会えたことは、今になってもそのことの価値は、自分の中で、色褪せる事はない。