隣の米の大きな乾燥機が夜のなると静かになる。
窓を開けるれば秋の涼風が部屋に入ってくる。
風を感じながら、本を読みながら、宗次郎を聴いていると、豊かな時間が過ぎてゆく。
こんな時間もいいもんだ。
こんな人生も悪くないな、と思う。
閑話休題
昨日夕方、行兼のお墓参りに、刈入れ終わった田圃路で赤トンボの群れに出会った。
夕焼け小焼けの 赤とんぼ
負われて 見たのは
いつの日か
山の畑の 桑の実を
小かごに摘んだは
まぼろしか
こんな豊かな詩情の中にあった時代をうらやましいと思う。
ただ、「負われて」を「追われて」と長い間、勘違いしていた。
性格の捻じれが災いしていたようだ。
惚けたかな?