イボ山

2024年06月15日 風の戯言

北条の小島と山澗の山奥に紫陽花の綺麗な「イボ山」がある、といろんな人たちから聞いていた。
一度、行ってみたいと思いながら10年が過ぎてしまった。

今日は暑い日が予想され、家にいても死んでしまうだろうから、と意を決してイボ山に向かった。
小嶋には看板が出ていなかった。
山澗に向かい、彼方此方探したが見当もつかない。

道の脇に腰の曲がった老婆が立っていたので道を聞いた。
「その道行かっしゃい」
何と、探しあぐねたイボ山への入口だった。神懸かり!

猫もすれ違えない様な細い林道を暫く行くとイボ山に出た。
紫陽花はなかった。
ばあさんが「世話した人が亡くなったからねえ・・」と言っていたのはこれだったのか。

紫陽花の名所は元の山に帰っていた。
花は、人の手を煩わして初めて綺麗な花を咲かせるのかも知れない。