置かれた場所で咲きなさい、ったって・・・
40億年前に、地球に生まれたたった一つの細胞から、分裂を繰り返し現在に至っていると言う。
二つの目、四本の手足、耳や鼻口、オチンまで一緒の所にある。
昆虫から動物、人間も含め「親戚」のような親しさを感じる。
「人間とは何か?」
考えたって腹の足しにはならないが、変な世界だ。
昭和36年4月
俺は家出同然で神田神保町1-64理論社に転がり込んだ。共産党の巣窟。
出版社に住み込みのアルバイト、終戦からまだ16年の東京、だから何か「3丁目の夕陽」が懐かしい。
高校の頃から吸っていたので、近くの煙草屋に買いに行った。
「いこい」 俺は上品な東京言葉で一言、そう言った。
「おめえ、新潟だろう?」
なんで分かった? このクソババア!
神田猿楽町から駿河台に上る石段の隙間に小さな花が咲いていたのを忘れられないでいる。
今日もお菓子を買いに入った店の入口に小さな花が咲いていた。
多分、この店の主は渡辺和子の「置かれた場所で咲きなさい」の言葉を大切にしている人なのだろう。
もう直ぐ6月になる。
奇妙な星で、不思議な人間達が、不可解な時間の中を、ポツンと流れている。変なの!