ここには、以前「焼き場」があった。
今の言葉では「火葬場」である。 亡くなった人を、幟を立て鉦や太鼓を静かにならし「焼き場」まで送る。 この世との別れの場でもあった。
別れきれずに、あの世では安楽に暮らせるよう、祈りこめて野仏を建てたのだろう。 それほど豊かでなかった時代に。 その悲しみと祈りが、今も胸を刺す。
野仏達の向うに宮ノ下の八剱神社の森が見える。
静かに、秋の時間が流れている。