焼き場

2025年09月08日 風の戯言

ここには、以前「焼き場」があった。

今の言葉では「火葬場」である。
亡くなった人を、幟を立て鉦や太鼓を静かにならし「焼き場」まで送る。
この世との別れの場でもあった。

別れきれずに、あの世では安楽に暮らせるよう、祈りこめて野仏を建てたのだろう。
それほど豊かでなかった時代に。
その悲しみと祈りが、今も胸を刺す。

野仏達の向うに宮ノ下の八剱神社の森が見える。

静かに、秋の時間が流れている。