独居老人もいいもんだっぺ!

2025年11月20日 風の戯言

節子が居なくなって2年が過ぎた。

子供達の所に行っているのか、最近は偶にしか帰ってこない。
それでも、毎日朝晩は写真にお茶とお菓子を上げている。
サボると叱られるからだけど、一緒にご飯を食べテレビを観たりしている。

病院から施設に移った時に、夜中になると一人で静かに古い歌を歌っていたという。
その話を思い出すと、居たたまれなくなる。
出来ない話ではあったけど、なんで俺が介護をしてやれなかったのかと。

全ては、いくら藻掻いても戻らない悔悟の世界。
彼女が一番苦しい時に、その苦しさを聴いてやれなかったこと・・・。

11月は姉が逝き、秋雄兄が逝ってしまった月。

「独居老人」を決め込みながら、行く秋を眺めている。