俺は死後の世界を信じない。
しかし、霊はある、と思う。
まだ盆の15日、肩の張りが尋常でなく、4月に亡くなった姉が俺の背中に負ぶわれ「西の入りの寺(安住寺)に連れてってくれ」と呟いていた。
2,3日休んだら少し元気が出てきていたので、姉と一緒に夕陽の寺に行った。
住職に、寺の本堂でお経を上げて貰い、姉の霊と、十六代の先祖達とここに眠る父母にお参りした。
静かな時間が流れていった。
お寺を出ると肩が軽くなっていた。
「おさちゃん、ありがとう」と姉が呟き、「良かったね」と俺。