人間は誰でも、暗い地下室に自分だけの部屋を持っている。
その部屋の闇は誰にも見せてはならない。
人に理解して貰おうと、扉を開けてはならない。
一瞬の風が吹いて、扉を開けても、絶望が待っているだけなんだ。
太宰はそれを「ウリ」にした。 見せてはならないものを「ウリ」にし、自分を理解して貰おうと足掻いて、最後には命を絶った。
彼は宇宙を知らなかったのだろう。
嵐の前の夕陽と、空行く雲が美しい。 一瞬の風は、美しい。
そして、それは愛。
俺の知らない世界があるのかも知らない。