聖ヶ鼻より妙高を望む
雲の中に、妙高の山が見える。
妙高は高校時代山岳部のホームグランドだった。
妙高、火打、焼山は何度登ったことか。
こんなこともあった。
夏休み前だったか、学校でクラス対抗の運動会があった。
最初「建築B組」は振るわずビリに近かった。
応援団の出番で、学校の倉庫からハシゴを持ち出し、ハシゴ乗りで鼓舞した。
血の気の多い、ていうかお調子者のクラスは盛り上がり、優勝した。
だけど、翌日の全校朝礼の時、500人の前で校長に名指しで怒られた。
「煮干し」(校長の綽名)奴、覚えていろ!
クラスに戻って、担任教師(笠原先生)に「頭に来たから山に行って来る!」
「おぉ、行って来い!」
今考えると、あの頃の先生もいい加減だった。
単独行は初めてだったが、テントから登山道具を入れ込んだキスリングは重かった。
火打の高谷の池にテントを張り、身軽なリュックで火打山から焼山の尾根で殺気を感じ引き返した。
間一髪とはこのことかも知れない。雷と土砂降り。
今年の芥川賞は「バリ山行」、神戸六甲山の単独行が題材。
2000メートル級の山の単独行がなんと楽しく、怖いモノか。
奴らには分かるまい、イヒヒヒヒ!