最近、「写真」の不思議さに迷い込んでいる。
妻が逝って、身体はそこにあるのに「妻」は抜けてしまった。
身体はそのままなのに・・・何かが消えてしまった。
亡骸・・・そう言うのかも知れないが・・・納得できない。
暫くして、それが「死」だと気が付いた。
病床で笑顔をカメラに向けた写真がある。
「死」を覚悟しながら、それでも俺の体調を気遣う妻がそこにいる。
写真という過去の断片の中に、「せっちゃん」はまだそこにいてくれる。
写真は横山のハクチョウ達。
長い旅をしてきた家族を労わるハクチョウ達が羽を休めている。