義兄逝く

2017年03月20日 風の戯言


 義兄がまた一人逝った。
 明治政府の大判事岡村為三の孫。
 戦後の農地解放でどんでん返しの時代を、誇り高く生き延びてきた一人、大変な時代だったのだろう。

 「兄貴達の時代」は終わった。
 隣の医者ドン佐藤秋雄、加納の医者ドン藍沢邸三郎、兄石塚孝、俺の先生佐藤十三郎、市役所の石塚昇、そして岡村康久。みんないなくなった。

 隣の家で夜中まで酒を飲み続け、談論風発、話の尽きることなく、バイクを連ねて旅をし、あんなに人生を楽しんだ人達もいないだろうと思う。
 子供心に「大人になればあんな楽しいことが出来るんだ!」と心底うらやましかった。

 あの世で、またみんなが揃って、また賑やかに飲んでいるのだろう。