秋の小粟田原

2017年09月04日 風の戯言


 そう言えば、我ら越後風船共和国の「かぐや姫」が小粟田原に舞い降りたのは稲刈りの真っ最中だった。

 我が家の前を飛び立った「かぐや姫」は北条の山の中に落ちてしまった。「かぐや姫」救出のために道のない藪の中を分け入り、ようやく見つけた所までガスボンベを担ぎ上げた。

 文字通りの藪の中から、再び「かぐや姫」は秋の空に舞い上がり、山を越え、谷を越え、紙に導かれるままに小粟田原に舞い降りた。

 追跡していた我々が見つけたのは、刈り入れの済んだ田圃に気恥ずかしそうな仲間の姿だった。

 翌年の3月、この地は「風船一揆」の聖地となった。