一人の女性の一生を、本当に幸せに出来たのか?
山六のおばおおちゃんとおじいちゃんの大事な一人娘を本当に幸せに出来たのか?
分からん。
「おとうさん」 ベッドで横になっちるつまが話しかけてくる。 「どうした?」 「いっぱい働いたし、いっぱい遊んだし、いっぱい旅行にも連れてってもらったね」 「いっぱい行ったね、病気が治ったらまたどこかに行こうね」 「もういいよ、加納でゆっくり過ごしたい。加納はいいとこだよ、あの家、好きだなー」
そんな会話を思い出している。