リサ・ランドール

2007年08月26日 風の戯言

 昨日、何気なしにNHK-BS1を視ていて「美しき知性 リサ・ランドール博士 異次元の謎」に引き込まれてしまった。難しい理論物理学の世界を魅力的に、判りやすく語るその姿に、本物の知性に触れたような気がした。
 理論物理学と言うのは数学により組み立てられた仮説であり、それを実験により証明されて世の中に出て行くものだろうと思う。博士が言うように、最初は電気理論は多分仮説であったろうが実験と応用物理学により電気は我々に計り知れない利便をもたらせてくれている。

 異次元世界とは、多分我々が時たま感じる「霊感」みたいな世界のことなのかもしれない。博士の仮説では3次元世界がパンの一片のような世界が何枚かあり、通常はその一片から出ることはできないが、その何枚かの宇宙を行き来する何かが存在するのではないか、とまあそんな仮説のように思った。
 考えてみると「共時性現象」なるものをいろいろ感じることが多い。また日本文化の深層にある「あの世とこの世」は遺伝子学で説明できるのではないかと思っていたが、何となく「あの世」が存在するのが正しいような思いになる。由緒正しき仏教徒?としては疑問が多いのだが・・・。
 全てのものに始まりがあれば必ず終わりがある。それが生命であり、人間もあらゆる生物も地球も宇宙も同じ存在であると考えていたものとしては、この仮説には不安がある。しかし、自分の小さな頭で理解できた知識なんてほんの僅かなもので、気の遠くなるような偉大な知性と言うものが実在することも、俺は知っている。

 夏の終わりに、俺はブラックホールに魅せられてしまったのかも知れない。