昔むかーし、麻呂がまだ御幼少の砌、隣部落の医者に嫁いだ姉が実家に帰ると 「修がまた犬と一緒に犬小屋の藁の上で寝てた」なんて話を何時までもしていてくれた。 3歳か、4歳か、5歳の頃、中の玄関の叩きに3尺角の箱が有り、それが俺と「チコ」寝場所だった。
その姉の命日に、お墓に花を供えてきた。
八石山に靄がかかり、人家まで降りてきて、息をするのが惜しいような風景が広がっていた。