せご(西郷)どん

2018年05月20日 風の戯言

お天気に誘われて「夢の森」の裏山を歩いてきた。
お昼時間が遅くなって、パンを囓っていたらウサギが出てきた。
本当はクマでも出ないかと楽しみにしていたのだが、ウサギの後から友人の尾崎が歩いてきた。
クマが出たよりビックリする。
近くに住んでいて、殆ど会うこともなくなっていたからだ。

「せご(西郷)どん」を夢中になってみている。
原作や演出もあるけど、主役の鈴木某が面白い。

明治維新という歴史の大転機に薩摩から現れ、西南戦争で消えて行く。
死後、許され上野の山に返り咲く。
劇的な理想的な生涯だけに、困難な社会になると「西郷待望論」が吹き出し、中身のない人間達が我も我もとが西郷どんを気取り、社会を崩壊させて行く。

司馬遼太郎は「飛ぶが如く」で、昭和史の中で訴えたかったことは、その『西郷幻想』だという。
国家利益を考えず、役者のように「西郷隆盛」を演じただけの軍人達。
どう考えても勝ち目のない対米戦争に突き進んでしまった戦争責任者達。

彼等はどんな「算盤」をはじいていたのか?
一部の武器商人と武器製造者達とその従業員。
その人達が一時潤うだけで、戦争にかり出され、戦場になった人達の悲惨さはもっと記憶に残り続けていい。
まして『宗教』という幻想の中で、幸福を踏みつぶして行く人達の心が分からない。

金正恩よ、貴殿が求めている未来の理想像を俺は聞いてみたい。