中秋の名月

2008年09月14日 風の戯言


 名月をとってくれろと泣く子かな  小林一茶

 なんかねぇ、俳句なんか弄ってないで月を取ってやればいいじゃん!、とどうも素直になれないね。

 名月を飲み残してや酒楽(さかほがい) 草風

 朝の雨が上がって今日は綺麗な秋晴れ。コンビニでおにぎり買ってぶどう村に続く林道で半日遊んでいた。道の脇の木陰に車を止めてラクチン椅子で本を読んだり居眠りしたり・・・それにも飽きるとぶどう村に忍び込んで、熟しすぎた紅瑞宝?を失敬して・・・ススキの向こうの黒姫山が見ていたか?

 鯖石川沿いに広がる田圃は稲刈りの真っ最中。兼業農家の多いこの地区にとって嬉しくも忙しい日だったのだろう。減反、ナンテ馬鹿な農政をやらなければ、日本は今より貧しかったけれどもう少し堅実な社会を維持できたのかも知れない、なんて生意気なことを考えたりする。
 豊かさとは何か、幸福とは何か・・・毎日が死ぬほどに退屈で、こんな日常が一生続くのかと、踏み固めた一本の雪道を飛び出し深い雪の中で狂ったように、いや狂っていたのかも知れない、泣き喚いていた子供の頃を思い出す。家は貧しくはなかったはずなのに・・・俺は何を考えていたのだろう。

 名月の滲んで虫のやかましき  草風

 そろそろ金木犀の匂う季節が近いはず。そして一年。