「サキエル氏のパスポート」
週末、週刊誌の書評に唆されて買った「愛と幻の満州国へ」と副題の付いた石黒健治氏の本に沈んでいた。
アウシュビッツから数千人のユダヤ人を救ったとされる杉原千畝の「美談」に隠された国際政治の舞台裏が、貴重な資料と関係者の証言から浮かび上がってくる。
杉原千畝のユダヤ人に対するビザ発行が、いくら第二次世界大戦の混乱期でも、個人の「美談」として片付けられるのに違和感を抱いていたが、やはり実相はそんなに簡単なことではなかった。
石原莞爾の「満州国」が五族協和+ユダヤ人の国を目指していたことは知らなかったし、歴史の「もしも」はないのは承知の上だが、日独伊三国同盟がなければ、あるいは「イスラエル」が満州国に含まれたカモシレナイという仮説は、血を騒がす。
同時に、当時でも国際的な知見が十分にあった中で、何故国力に圧倒的な差異のあったアメリカに戦争を仕掛けたのか? 何故山本五十六は開戦を承認してしまったのか? 東条英機とは何者だったのか? よく分からない。 もうどうしょうもないことだが、アメリカという国をこれ程までにノサバラセないで済んだのかも知れない。
マスコミのミスリードと国民への迎合が「空気」を作り、「失敗の本質」を繰り返しているように思えてならない。
全ては塞翁が馬、今起きていることはより素晴らしい未来にとって大きな意味があることなのだろう。
今日から2月
岡本氏が戦列に加わり、会社の平成21年度が始まる。
お客さんの為に、そして自分と家族の為に、社員が夢中で働かれる環境と文化を残してやりたい。