ウクライナ義勇兵へ
春が帰ってきた。
鯖石川に野焼きの煙が上がり、村人は水路の補修や畑仕事に汗を流している。
八石は日を浴びて膨らみ、柳も柔らかな緑を川面に映している。
中鯖石コミュニティの桜は明後日には満開を迎えるだろう。宝物のような春が帰ってきてくれた。
鯖石の里には変わらぬ日常があり、穏やかな生活が流れている。
外界が乱れても、仏さまたちは「騒ぐでない」と諭されている。
庭の日溜まりで呆けていると、もうあの世との区別がつかなくなる。
春を待つ冬の季節、コロナ騒ぎの鎮まりを待ってていた「SDGsかしわざき市民会議」の活動が身動きできなくなった。
そして突如プーチンが発狂してしまった。
この時代に本気で領土拡張を企むとは思ってもいなかった。
人間の世界で一番大切な「信頼」なんてクソクラエなのか、平和を求めて核放棄をした隣国に雪崩れ込み殺戮を繰り返している。
ロシアは恐ろしい国だ。
満州で日ソ中立条約を一方的破棄し侵略。クリミア略奪、そしてウクライナ。
人間のやることとは思えない。
ウクライナは豊かな穀倉地帯だという。
だから歴史的に翻弄され続けてきたのだろう。
故郷を守るコサック騎兵団の故郷だとも聞く。
ウクライナの歴史を10秒で言い表す悲しいジョーク。
「私はオーストリアで生まれ、ポーランドで育ち、ハンガリーの学校に行き、ソ連で就職し、今ウクライナに住んでいる」
「大変な人生でしたね」
「いや、私は生まれてから今まで一度もこの街を出たことがないのです」
友人からのメールでそのことを知った。哀しい歴史だねと彼は呟いた。
義勇軍に馳せ参じたいのだが、足腰が立たない。耳も遠くなって、ロレツも回らなくなってきた。
人が困っていたら金のある時には金を出せ、力のある時には力を出せ、お金も力もない時にはせめて声を出して応援しろ。姉から教わった家訓だ。
何か出来ることないかと歯ぎしりしている。
他の国に雪崩れ込み、爆撃し、殺戮し、嘘をついて、言い訳してそれが人間のやることか。
長い人間の歴史の中で,人生なんて瞬間的なものでしかないと思う。
敵も味方もその同じ時間を共有している奇跡だと思う。
その奇跡の時間を憎しみ合い、殺戮し合うのか。
プーチンや取り巻きの権力者は何を考えているのか?
彼らも選挙で選ばれた人に違いないが、自分が落ちたら「不正選挙」なんて喚いているオジンもいる。
バカなリーダーたちのせいで世界は迷走するばかり。
しかし、何時かは終わるし、終わらせなくてはならない。
人間は希望があれば生きていけるし、夢があれば、諦めなければ必ず達成できるものと信じている。
権力者たちが普通の人を家畜のように扱うのは嫌だ。
どんなに壊れかけていても「民主主義」は正しいはずだと思う。
こんなに脆い政治システムもないと思うが、いや、多分ウクライナの紛争は新しい時代の政治システム、そう! ツィッターやSNSを使った民衆の思いをパワーにした心の時代の、「民主主義 Ver.2」を創り出しているのかも知れない。
ゼレンスキー大統領に、久々にリーダーの言葉の力を感じた。
人は、時により命より大切なものがあると。もっと大切な守らねばならないものがあると。
映画ドクトル・ジバゴの「ララのテーマ」の曲が今も静かに流れる。
ロシアよ、早く目覚めてくれ!
そしてプーチンの首を絞めてくれ!
国のリーダーの役目は国土を守ることと国民の健康を守ることだと思う。
間違っても他国を蹂躙し、平和な日常を破壊することではない筈だ。
バカ奴 !