ムーン・リバー

2011年10月29日 風の戯言


 「音楽」が好きだと言えるほど詳しくもないのだけれど、最近CDを聴いていて何かとてつもなく懐かしい感情に浸っている自分を感じる。
 今日も朝から雲一つない青空で、疲れきって動く気力はないだろうとタカを括っていたのだが、車が走り出してみると秋の景色に血迷い、当て所もなく走り続けてしまった。
 小村峠を越えて上越の山道を迷い秋の一日を楽しんできた。カーステレオから流れるアメリカの曲だけでなく、風景や風に何故こんな懐かしさを感じるのか、不思議なドライブだった。
 酒とバラの日々、夢見る人、懐かしきケンタッキーの我が家、想い出のサンフランシスコ、ラブ・ミー・テンダー、ムーン・リバー、ある愛の詩・・・人生のある季節、身近で奏でられ続けていた曲。
 ただ、電子化で音楽の経済的価値はゼロに近づき、急激な質の低下を招いている、という。儲かっているのはアップルだけだという指摘も複雑な思いにさせられる。
 人の心を満たすものは、長く深い苦悶の末に生まれ出でた宝石の様なモノなんだろうと思う。

 シンガポールから戻った友人が奈良で英国式フルーツケーキの店を始めた。「ラム酒に1ヶ月以上漬けたドライフルーツを使っていますので、焼き上がってから冷蔵庫で1ヶ月寝かせて頂くとBESTです。」とのこと。待ちきれない。
 昨日は札幌の八戸さんが会社に寄ってくれた。丁度社内でのパーティが始まる時間だったので、終わってから市内で合流し懐かしい話を楽しんだ。
 自分の時間でないような、心温まる時間が過ぎて行く。