40年目の再会

2006年03月08日 風の戯言


 少し大袈裟だけれど、40年振りの再会だった。
 当時私は25歳。夢を投げ出して故郷に戻り、建設現場で働いていた。圃場の水路舗装、病院建設現場の雑工事など10人ほどの班を編成し仕事をしていた。一緒に働く仲間は農家の嫁さんや親父達。危険な作業も多かったが仕事そのものは楽しかった。

 あれから40年程が過ぎていた。
 建設業20年、コンピューター屋が約20年。全力で走り続けて気がついたら「高齢者」に近づいていた。

 彼女達から昔の仲間が集まるから顔を出してとの連絡を貰った。嬉しかったね。過ぎてしまえばみんな夢の中のような時間が流れていっている。
 子供達は大きくなり、孫も大きくなり、人生の相棒を失った「かぁちゃん」もいる。時は流れていた。

 遠い昔の建設現場が目の前に現れ、みんなが生き生きとして働いていた情景が会話の中から浮かび上がってくる。

 思わず涙が出そうになった。
 紆余曲折、壁にぶち当たり、よろめきながらの人生も案外と悪くなかったのだな。一人ひとりの顔を見ながら、俺はそう思えた。