鯖石賛歌
今日は温かい風が吹いている。
自宅の庭にはまだ雪が残っているし、近くの田圃もまだ白い雪に覆われている。だけど鯖石側の堤防が顔を出し、待ち望んだ「ランちやん」との散歩が出来るようになった。
黒姫山と八国山、そして鯖石側が私にとって掛替えのない風景で、その風景に溶け込んでしまう愛犬との散歩の時間は貴重だ。
変化の激しい情報産業に携わっていても、自分の体の中を流れる「時間」は農民のままなのかもしれない。だから時々時計を戻してやらないと大切なものが狂ってしまう。
司馬遼太郎と陳舜臣の古い対談集を読んでいたら、イスラム暦は1年が311日単位だから農業が出来ないのだと言う。ナイルの氾濫がエジプトの暦と測量技術を発展させたというハナシとはどう繋がるのだろう、等と思いながら窓から庭を眺めている。いい時間だ。
山茶花が痴呆症に近くなった俺を見ている。